取締役社長・所長松村 孝夫
当研究所は、1992年3月に発足いたしました。
きっかけは、関西電力美浜発電所2号機における蒸気発生器細管破断事故です。その反省を踏まえ、人間科学・社会科学により安全と信頼を追求する「社会システム研究所」と、安全技術の向上など原子力発電の安全性・信頼性の一層の向上を追求する「技術システム研究所」を2本柱に、国内外でも稀有な特色を有した研究所として、30年以上にわたり、「原子力発電の安全性および信頼性の一層の向上と、社会や環境とのより良い調和に貢献する」という基本理念のもと、積極的に研究活動を行ってまいりました。
その後、東京電力 福島第一発電所事故を経て原子力発電における安全性・信頼性がさらに求められる中、近時は脱炭素社会実現に向けた取り組みやエネルギー価格高騰などの影響もあり、グリーントランスフォーメーション(GX)の動きに見られるよう原子力発電に対する関心・期待が高まっています。
当社としては、今何が求められるかを感じ取り、その時代に合わせた選択と集中により実効性を高めながら、国内外の研究機関・大学との連携による高いレベルの研究を行うとともに、謙虚な姿勢を忘れることなく、たゆまぬ安全性向上に向け、独立・第三者的立場からの提言など専門的知見を活かした協力的役割を果たしてまいります。
皆さま方には引き続き、ご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。